Web制作を依頼するとき、「何を伝えればいいか分からない」という相談はよくあります。専門用語でまとめる必要はありません。むしろ、最初は日常の言葉で大丈夫です。
ただし、目的や優先順位が少し整理されているだけで、提案の精度は大きく変わります。制作会社側も、何を大切にすべきか判断しやすくなります。会社概要ページに何を載せるかと同じように、発注前の整理も「完璧さ」より「向いている方向がそろっていること」が大切です。
目的を言葉にする
まず必要なのは、「なぜ作るのか」です。問い合わせを増やしたい、採用応募を増やしたい、会社の信頼感を整えたい、サービス内容を分かりやすくしたい。目的によって、構成もデザインも優先順位も変わります。
複数ある場合は、優先順位をつけます。全部大事でも構いませんが、最初に達成したいことが見えると、提案がぶれにくくなります。
たとえば「問い合わせを増やしたい」と「会社の雰囲気を伝えたい」では、必要なページや写真の使い方が変わります。目的が曖昧なまま進むと、きれいだけれど成果に結びつきにくいサイトになりがちです。迷ったら、「このサイトを見た人に、最後に何をしてほしいか」を一文で決めてみると整理しやすくなります。
誰に見てほしいか
ターゲットは、年齢や性別だけではありません。初めて会社を知る人なのか、比較検討中の人なのか、既存顧客なのか、採用候補者なのか。相手の状況によって、必要な情報が変わります。
「詳しい人向け」なのか「初めての人向け」なのかも大切です。専門用語をどこまで使うか、説明の順番をどうするかに関わります。
既存のお客様からよく聞かれる質問も、ターゲット理解の材料になります。営業中に何度も説明していること、契約前に不安が出やすいこと、他社と比較されるポイント。これらはサイトに載せるべき情報です。営業担当がいる会社なら、直近の商談メモや問い合わせメールを見返すだけでも、ターゲットの解像度はかなり上がります。
必要なページ
最初から完璧なサイトマップは不要ですが、必要そうなページをざっくり出しておくと話が早くなります。トップ、サービス、料金、事例、会社概要、FAQ、お問い合わせ、ブログなどです。
今は不要でも、今後増やしたいページがあるなら共有しておきましょう。あとから拡張しやすい設計にできます。
ブログや事例をあとから増やす予定があるなら、最初から一覧ページやカテゴリ設計を考えておくと楽です。小さく始める場合でも、将来の更新を想定しておくと作り直しを減らせます。実際の制作事例を見ると、業種によって必要なページの組み方がかなり違うことも分かります。
素材と原稿
写真、ロゴ、パンフレット、過去の提案資料、営業資料、よくある質問、実績情報。これらはサイト制作の材料になります。きれいに整っていなくても、共有できるものがあるだけで理解が進みます。
原稿が書けていなくても大丈夫です。むしろ、資料やヒアリングから整理していくことも多いです。
参考サイトも役に立ちます。ただし、「このデザインが好き」だけでなく、「この料金表が分かりやすい」「この事例の見せ方がよい」「この問い合わせ導線が近い」のように理由を添えると、制作側が意図を読み取りやすくなります。会社説明資料を持っている場合は、Web掲載の形式もあわせて検討すると準備がまとまります。
公開後の更新体制
誰が更新するのか、どれくらいの頻度で更新したいのかも重要です。社内で更新したいならCMS設計が必要ですし、外部に任せたいなら運用フローを決めておく必要があります。公開後の更新を毎回どこかへ依頼するのがつらいと感じるなら、月額のWeb担当という選択肢もあります。
予算と公開希望日も、早めに共有したほうがよい情報です。限られた予算なら優先順位を絞る提案ができますし、公開日が決まっているなら、初回公開に必要な範囲と公開後に追加する範囲を分けられます。
初回相談でよく聞かれること
整理しきれていなくても心配いりません。実際の初回相談では、こちらから質問を重ねて形にしていきます。よく聞かれるのは、次のような内容です。
- 今のサイト(またはSNS)で困っていること
- 競合や気になる会社のサイト
- 公開したい時期と、決まっている予算の範囲
- 社内で意思決定するのは誰か
- 今後1〜2年で事業やサービスに変化の予定があるか
これらに全部答えられなくても大丈夫です。「分からない」も立派な回答で、そこから一緒に整理していけます。むしろ、無理に仕様書のような資料を用意しようとして相談自体が後回しになるほうが、もったいないことが多いです。
よくある質問
問題ありません。多くの場合、ヒアリングをしながら一緒に言葉にしていきます。「なんとなくこう思っている」を質問で引き出すのも制作側の仕事です。完璧な状態でなくても、思っていることをそのまま話していただければ大丈夫です。
ページ数、必要な機能(予約・決済・多言語など)、更新体制の希望を各社に同じ内容で伝えると比較しやすくなります。条件がバラバラだと金額だけの比較になりがちなので、依頼内容をなるべく揃えて相見積もりを取ることをおすすめします。
大丈夫です。目的や状況を伺ったうえで、予算に応じた複数の進め方をご提案します。むしろ「まず何から始めるべきか」の整理からお手伝いすることも多いです。
