BLOG / Web発注の基礎知識

問い合わせが減った気がするとき、
まず見るべきWeb導線

問い合わせが減った原因は、デザインの古さだけとは限りません。ボタン、フォーム、スマホ表示、計測の小さな詰まりが影響していることがあります。

「最近、問い合わせが減った気がする」。Webサイトの相談で、よく出てくる言葉です。こういうとき、すぐにリニューアルを考えたくなります。もちろん作り直したほうがよい場合もありますが、その前に見ておきたい場所があります。

問い合わせは、ページを見た人が自然に次へ進めた結果として届きます。つまり、サイトの見た目だけでなく、どこに問い合わせボタンがあるか、フォームが送れるか、スマホで迷わないか、送信後にメールが届くかまで含めて導線です。

この記事では、問い合わせが減ったと感じたときに、最初に確認したいWeb導線を整理します。サイト全体の棚卸しはWebサイト健康診断の記事でも触れていますが、今回は問い合わせに直結する部分に絞ります。

リニューアル前に切り分ける

問い合わせが減ったとき、原因はひとつとは限りません。検索流入が落ちたのか、広告の反応が変わったのか、ページまでは見られているのに問い合わせに進んでいないのか。まずはこの切り分けが必要です。

アクセス数も落ちているなら、検索順位、広告、SNS、外部リンク、ページタイトルなどを見ます。アクセス数は変わらないのに問い合わせだけ減っているなら、サイト内の導線やフォームが疑わしくなります。

よくあるのは、次のような状態です。

  • 問い合わせボタンがページ下部にしかない
  • スマホでボタンが小さく、押しにくい
  • フォーム項目が多く、入力の負担が大きい
  • 送信エラーの理由が分かりにくい
  • 自動返信や通知メールが届いていない
  • 料金や相談範囲が分からず、問い合わせる前に不安になる

こうした問題は、全面リニューアルをしなくても直せることがあります。まず一度、小さく診断するほうが現実的です。

問い合わせボタンは見つかるか

問い合わせ導線で最初に見るのは、CTAです。CTAは、問い合わせフォームや電話、資料請求など、次の行動へ進むためのボタンやリンクのことです。

ページを読んで「相談してみようかな」と思ったタイミングで、すぐ次に進めるか。これが大切です。ページ上部、サービス説明のあと、料金の近く、事例のあと、FAQのあと。読み手の不安がひとつ減ったタイミングに、自然な導線があるかを見ます。

反対に、押し売りのようにボタンを置きすぎると、落ち着いて読めません。数ではなく、置き場所と文言が大事です。「お問い合わせ」だけでなく、「まず相談する」「料金を確認する」「状態を見てもらう」のように、読み手が次にしたい行動に合わせると進みやすくなります。

サービス内容が複数ある場合は、どの相談をしてよいのか迷わせないことも大切です。Web制作なのか、更新相談なのか、AIで作ったサイトの確認なのか。入口を分けるか、フォーム内で選べるようにします。

フォームで離脱していないか

フォームは、問い合わせ導線の最後の場所です。ここで詰まると、せっかく相談する気になった人を逃してしまいます。

確認したいのは、入力項目の多さ、必須項目の妥当性、エラー表示、自動返信、管理者通知、スパム対策です。特に、フォームは見た目だけでは正常か分かりません。実際に送信して、管理者に届くか、自動返信が届くか、迷惑メールに入らないかまで確認します。

スパム対策を強くしすぎて、正しい問い合わせまで弾いていることもあります。reCAPTCHAを入れている場合は、フロント側だけでなくサーバー側の検証やscoreの扱いも見たいところです。詳しくはreCAPTCHA v3の記事にまとめています。

フォーム項目は、営業側が聞きたいことを詰め込むほど長くなります。ただ、初回問い合わせで聞きすぎると、送る側は重く感じます。最初は必要最低限にして、詳しい情報はヒアリングで確認する設計でも十分です。

フォームは「入力してもらう場所」ではなく、「相談の一歩目を邪魔しない場所」と考えると、項目の整理がしやすくなります。

スマホで最後まで進めるか

社内ではPCでサイトを見ることが多くても、見込み客はスマホで見ているかもしれません。問い合わせ導線は、必ずスマホで確認します。

スマホで見ると、PCでは気づかなかった詰まりが見えます。ボタンが画面の外にある、固定ヘッダーで見出しが隠れる、入力欄が小さい、電話番号がタップできない、フォームの確認画面で戻ると入力が消える。こうした体験は、問い合わせ前の小さなストレスになります。

特に、採用やBtoC寄りのサービスでは、スマホでの第一印象が大きくなります。PCで整っていても、スマホで読みづらいなら見直す価値があります。表示速度も同じです。画像が重く、最初の表示に時間がかかると、問い合わせボタンを見る前に離脱されることがあります。

相談したくなる情報が足りているか

導線はボタンだけではありません。問い合わせる前の不安を減らす情報も導線です。

たとえば、料金の目安がない、対応範囲が分からない、誰が対応するか分からない、実績や事例が見つからない。こうした状態だと、フォームに進む前に止まります。検討者は、問い合わせたあとにしつこく営業されないか、予算が合わないのではないか、自分の相談が対象外ではないかを考えています。

その不安を減らすために、次の情報を置いておくと効果的です。

  • 料金の目安
  • 相談できる内容
  • 対応できないこと
  • 過去の対応事例
  • 相談から納品までの流れ
  • よくある質問
  • 会社概要や代表プロフィール

会社概要ページや料金ページは、問い合わせ前の安心材料になります。ページを増やすことが目的ではなく、迷いを減らすことが目的です。

計測できているか

問い合わせが減ったかどうかを判断するには、感覚だけではなく、数字も見たいところです。アクセス解析、Search Console、広告管理画面、フォームの送信ログ、メール受信状況を確認します。

ただし、数字が入っていないサイトもあります。その場合は、今からでも計測できる状態を作れば大丈夫です。どのページからフォームへ進んだのか、どのボタンが押されたのか、サンクスページまで到達したのか。最低限の流れが見えるだけでも、改善の判断はしやすくなります。

計測で大切なのは、数字を眺めることではありません。「どこで止まっているか」を見つけることです。検索で見られていないのか。ページは見られているがCTAが押されていないのか。フォームまでは来ているが送信されていないのか。場所が分かれば、打つ手も小さくできます。

原因が分からないまま大きく作り直すと、効いていた導線まで消してしまうことがあります。まず現状を見て、残すものと直すものを分けましょう。

問い合わせ改善は、派手なデザイン変更よりも、ボタン、フォーム、スマホ表示、安心材料、計測の見直しから始めるほうが近道になることがあります。気になっているサイトがあれば、現状のまま見せてもらえれば大丈夫です。

よくある質問

すぐに全面リニューアルを決めるより、まず導線、フォーム、スマホ表示、計測を確認するのがおすすめです。一部の修正で改善できることもあります。原因を分けてから判断すると、費用と時間を抑えやすくなります。

あります。CTAが見つけにくい、フォームが長い、スマホで押しにくい、送信後のメールが届いていないなど、ページに来たあとの導線に問題があるケースです。アクセス数だけでなく、問い合わせまでの流れを見ます。

できます。むしろ原因が分からない段階こそ、第三者の目で導線を確認する意味があります。現在のURLと、いつ頃から気になっているかを共有いただければ、見える範囲から切り分けます。

上野まのすけ
上野まのすけ(I-to.合同会社 代表)

Webコーダー/ディレクターとして独立後、2026年にI-to.合同会社を設立。Webサイト制作・コーディング代行・AIケアを通じて、社内のWeb業務を整理し、運用しやすい形に整えています。プロフィール詳細

← ブログ一覧へ戻る

読むより聞いた方が
早いこともあります。

記事の内容について「うちの場合は?」があれば、一言どうぞ。ヒアリングは無料です。