サイトが古くなった気がする。問い合わせが減った。スマホで見づらいと言われた。表示が遅い。こうした違和感が出たとき、いきなりリニューアルを決める前に、まず現状を診断することをおすすめします。作り直すべきタイミングかどうかの見極め方は別記事でも整理していますが、その判断の前提になるのが今回の診断です。
Webサイト健康診断は、サイトを責めるためのものではありません。どこが効いていて、どこが足を引っ張っているのかを整理し、直す順番を決めるための作業です。人間ドックと同じで、悪いところ探しではなく、今の状態を数値と事実で把握することが目的です。
表示とスマホ対応
最初に見るのは、ユーザーが普通に読めるかです。スマホで文字が小さすぎないか、ボタンが押しにくくないか、画像が重くないか、横スクロールが出ていないか。基本的な表示の崩れは、信頼感に直結します。
特にスマホは、社内のPC確認だけでは見落とされがちです。実機で主要ページを確認し、問い合わせまでの流れを実際に触ってみます。会社のPCで見ている担当者と、外出先でスマホから見る訪問者とでは、見えている画面がまったく違うことも珍しくありません。
表示速度もここで見ます。画像が大きすぎる、使っていないスクリプトが多い、外部埋め込みが重いなど、見た目では分からない原因で離脱が増えることがあります。数字で見るなら、Googleが指標にしているCore Web Vitals(表示の速さを示すLCP、操作への反応を示すINP、レイアウトのガタつきを示すCLSの3指標)が目安になりますし、体感で見るなら実機での読み込み確認が有効です。数字だけを追いかけても実感が伴わないので、両方を突き合わせるのが確実です。
導線と問い合わせ
サイトの目的が問い合わせなら、各ページから問い合わせまで迷わず進めるかを見ます。CTAが見つかるか、フォーム項目が多すぎないか、送信後の自動返信が届くか、エラー表示が分かりやすいか。
問い合わせが減っている場合、デザインよりもフォームや導線が原因のことがあります。ボタンの位置、文言、入力項目、スマホでの操作性を確認します。
送信テストも欠かせません。管理者にメールが届くか、自動返信が届くか、添付ファイルが開けるか、迷惑メールに入っていないか。フォームは「表示されている」だけではなく、「最後まで届く」ことで初めて役割を果たします。送信は成功しているのに一部だけ壊れているケースもあるので、正常系だけでなく一通り触ってみることをおすすめします。スパム対策としてreCAPTCHA v3を入れている場合は、正しい問い合わせまで弾いていないかもあわせて確認したいところです。
SEOと情報設計、AIOへの対応
検索流入を増やしたいなら、ページタイトル、description、見出し、内部リンク、構造化データを見ます。会社概要、サービス、事例、FAQ、ブログがバラバラに置かれていると、検索エンジンにもユーザーにも伝わりにくくなります。会社概要ページに何を入れるべきかは別記事にまとめているので、あわせて見直すと効率的です。
AI検索の時代には、会社情報やサービス内容が整理されていることも重要です。誰が、どこで、何を、どんな範囲で提供しているか。基本情報の整理が土台になります。ChatGPTやGoogleのAI Overviewsのような生成AIの回答に自社が引用されるかどうかは、キーワードの詰め込みよりも、事実がFAQPageやArticleなどの構造化データで機械的に読み取れる形になっているかに左右されます。
Search Consoleで検索クエリを見れば、今どんな言葉で見つかっているかが分かります。想定していない言葉で流入しているなら、記事やFAQを増やすヒントになります。逆に、狙いたい言葉でまったく表示されていないなら、ページ設計から見直します。
セキュリティと運用
SSL、フォームのスパム対策、CMSやプラグインの更新、バックアップ、ログイン情報の管理も確認します。見た目に問題がなくても、運用の土台が弱いと、ある日突然困ります。
特に「作った人しか触れない」「サーバー情報が分からない」「バックアップがない」は危険信号です。リニューアル前に、管理情報を棚卸ししておきましょう。ブラウザで鍵マークが表示されるかだけでなく、一部の画像や外部埋め込みだけhttpのまま読み込まれる「混在コンテンツ」が残っていないかも、見落とされやすいポイントです。
アクセス権限も確認します。退職者のアカウントが残っていないか、Google AnalyticsやSearch Consoleの管理者が誰か、ドメインやサーバーの契約者が分かるか。Webサイトはページだけでなく、周辺アカウントまで含めて資産です。
優先順位を決める
診断で大切なのは、全部を一度に直そうとしないことです。売上や問い合わせに直結するもの、セキュリティ上危ないもの、ユーザーが困っているものから順に直します。
おすすめは、「すぐ直す」「次回改善」「保留」の3つに分けることです。診断結果を課題リストで終わらせず、次の一手まで落とし込むと、サイト改善は一気に進めやすくなります。
診断は誰がやるべきか
表示崩れや送信テストのように、見た目や操作で分かる部分は、社内でも十分にチェックできます。一方で、表示速度が遅い本当の原因、SEO/AIOの構造上の課題、セキュリティ設定の甘さは、専門知識がないと見えにくく、気づいたときには問い合わせや検索順位にじわじわ影響していることが多いです。
社内に判断できる人がいない場合は、外部の目を一度入れるのが近道です。I-to.では、AIケアのスポット診断として、現状のサイトを見て、課題と優先順位をレポートにまとめるところから承っています。診断だけで終わらせず、そのままとなりのWeb担当として継続的に見ていくことも、単発の修正だけで終えることも選べます。料金の目安は料金ページをご覧ください。
よくある質問
表示崩れや送信テストなど、見た目に出る部分はスマホとPCの実機を触るだけである程度確認できます。ただし、表示速度の内部要因やSEO/AIOの構造、セキュリティの設定は専門知識がないと見落としやすく、そこだけ第三者に見てもらう会社が多いです。
構いません。診断結果は課題リストとしてお渡しするので、社内対応でも他社依頼でも活用いただけます。I-to.にそのまま修正までご依頼いただく場合は、診断内容を踏まえてスムーズに着手できます。
多くの場合、健康診断が先です。実は部分修正で解決する不調を、診断せずにリニューアルすると、費用も期間も余計にかかってしまいます。作り直す前に、今のサイトのどこが効いていてどこが足を引っ張っているかを切り分けるほうが結果的に近道です。
それも診断の成果です。「今は大きな課題がない」と分かれば、無理に手を入れず、次に見直す時期の目安をお伝えします。悪いところ探しではなく、今後の判断材料を揃えることが目的です。
